D3 「冬場所」〜舞う!跳ぶ!歌う!吼える!そして・・・〜
D3 「冬場所」〜舞う!跳ぶ!歌う!吼える!そして・・・〜
2003.12/6(土) 14:00〜
梅田 amHALL
関西ダンス界の「教祖」、中川誠さんを中心とする男性8人のユニット、D3の公演で、佐竹先生は、スペシャルゲストとしての出演です。
他にも、宇田三昭さんのU−JUNCTION、萩原宏信さんの魅殺陣屋(みたてや)とTEAM MUJINA、イエローキャブウエストの女性陣が登場し、豪華で盛り沢山のステージでした。
コントやトークを挟みながらとはいえ、ダンスは充実の全20曲、しかも、2日間3公演。
本当にエキサイティングで、面白くて、いろいろな意味でインスパイアしていただきました。
惜しかったのは、会場がライブハウスなので舞台が狭すぎる感じがしたことと、客席が低くて下の方(演者の足もと)が見えにくかったこと。
が・・・そんなことを差し引いても、充分楽しく、満足でき、できればもう一回観たい!と思ったステージでした。
実は私は、佐竹先生を生で拝見するのは、この日が初めてでした。
先生自身は、このステージについては、反省点が多いというか、不本意な出来であったように言っておられますが、決してそんなことはないと思います。
夢中だったためにその場では気付かなかったのですが、後日購入したビデオで観ると、全部で10曲も踊っておられます。
そもそも、並みの体力の持ち主にできることではありませんし、ビデオの映像は、いちばん最後の6日の夜のものですから、本当に凄いと思います。
また、先生のダンスというと、その楽しげな笑顔も、大きな魅力のひとつです。
表情豊かで、カッコいいかと思えば、コミカルでもあり。
曲(リズム)に乗ることを心から楽しんでおられるのが、よく見て取ることができます。
指の先までスイングして・・・もしかしたら、先生の身体の中に流れている音楽が、踊ることによって外に流れ出して、私たちの耳に届くのでは、とも思えてしまいます。
1> YOUR GIRL CHOSE ME
9人のメンバーの顔見世的な作品。
振り付けや衣装にもそれぞれの個性が出ていて、わかりやすかったです。
B2Kの曲もアップテンポでノリやすいし、のっけから観る者を引き込む演出。
先生のダンスはバレエ風で、ターンなどは回転が速くてダイナミックだけれども、全体としては軽やかで柔らかいな、という印象を受けました。
2> HONESTY
ご存知、ビリー・ジョエルの曲で、先生の振り付け作品の一部だそうです。
中川さん、宇田さんとともに、それぞれ女性のパートナーと、つまり3組のカップルでのダンスで、男性はジーンズ姿。
よく思うことですが、先生の作品は、ストーリー性があって、面白いです。
それからどうなるのかなと、観ていてわくわくしてしまいます。
ドラマ風な部分での、3組の動きの差にも興味をそそられましたし、それぞれ、しっかりパートナーを生かせているな、と思いました。
ハッピーエンドの充足感も得られて、あとこれで歌さえあれば、ミュージカル?
先生が動き出す前の、ほんの一瞬のタメというか間合いのたたずまいが、私は大好きです。
跳躍力も、素晴らしいと思いました。
3> LOVER AND FRIEND
Baby Faceの曲で、同じく、中川さん・宇田さんと3人ですが、今度はスーツ姿です。
しかも、下のシャツが、それぞれ赤・青・黄(先生)のシグナルカラーだし、例のキョロちゃんのチョコボールの箱を小道具に使った、なかなかハデな作品。
振り付けもかなりイタリアン?
お三方とも、男の色気やかわいらしさといったものが、炸裂していました。
「HONESTY」もそうですが、このトリオのダンスは、一体誰を観ていればいいものやら、次々に目移りしてしまって、ビデオだと何度観ても飽きません。
4> LUCK BE A LADY
ここから、D3公演恒例の「ノンストップジェットコースターダンス」に入ります。
先生は、一曲目の「WILD BOYS」に続いて、口上とともに登場。
渡辺さん以外の8人が、ダンディな揃いのベストスーツで踊ります。
これも先生の振り付け作品ですが、凝った面白い動きが多くて、一瞬も目を離せません。
いや本当に、迫力があって、カッコいい作品です。
新田さんや萩原さんも、文句なしに凄いと思いました。
5> 踊り子
最高に笑えた作品です。
先生と中川さん・宇田さん・原さんの後ろにスクリーンがあって、♪あの娘の太ももに唇這わせてさ♪と歌の流れる中、ナイスバディの女性の踊る姿が映っている。
で、4人がそちらに回って出てくると、♪さすがのこの俺も鼻血が♪ということで、本当にハナにティッシュが詰まっておると。
その女性もいつも間にか星野さんに替わっているわ、中川さんはハナのティッシュをポイ捨てするわ、次の曲の新田さんと久保さんが本物の桃を持って出てくるわと、キメの細かい芸で、笑いが止まりませんでした。
限りなくコントに近いダンスだと思います。
6> 究極のバレエ
この作品に関しては、私はかなり複雑な感想を持っております。
宇田さんとのデュエットで、なんと、警官の姿なのに下半身は水道の蛇口のついた白タイツ、しかも、黒ヒゲと赤鼻のメイクまで。
その奇抜ないでたちに、生で観たときは、笑い転げてしまいました。
が、後日改めてビデオで観ると、回を重ねるごとに、だんだん辛くなってきます。
確かに、ピルエットも正確に決まっているし、宇田さんとの呼吸もいいし、バレエとして、技術的には素晴らしいのだろうと思います。
しかしながらやはり、私の美意識では、ちょっとキツイです。
7> シェネルズ
シャネルズの「ハリケーン」に乗せた、中川さん・宇田さん・萩原さん・渡辺さんとの5人でのナンバー。
「究極のバレエ」もそうですが、宇田さんの振り付けは、ユニークで面白いです。
衣装も、金ピカのシャネル風のマーク付きベスト。
曲のスピードがだんだん速くなっていって、みんながバテたところで、次のトークにつなげるという演出は、上手い!と思いました。
トークも、イジられ役の渡辺さんはじめ、5人とも個性的で、とても楽しめました。
そしてここで、あの、先生の名言、「メリー盆!」が。
8> 海老江「過激」団
中川さんと二人、スカーフを巻いた着流し姿で、手をつないでの登場。
先生が中川さんのストーカーという設定なのですが、ちっともイヤらしくなく、むしろ爽やかな印象があります。
お二人とも、和服が似合っているというか着慣れているというか、いやそれ以前に、着物でも踊れるものなのだなあと、妙に感心しました。
途中で、新田さんが萩原さんに抱えられて「タイタニック」風に回ったりするところもあって、かなりハチャメチャな演出のようですが、素直に楽しめました。
最後に、先生が、中川さんとの出会いについて語る場面も。
9> 煙
男の友情を描いた、芝居仕立ての、凄味のある作品です。
実際に使われる、タバコの煙と、舞台奥で渡辺さんが食べているホルモン焼きの煙とで、効果も満点。
彼以外の8人は、ブルーカラー風のスーツで、迫力たっぷりに踊ります。
静と動のコントラストというか、静止している時間の使い方の上手さにも、感心しました。
中川さんなど、目の下にクマができていて、かなり鬼気迫るものが。
しかし、亡くなった連れへの追憶という重いテーマであるにもかかわらず、最後にはきっちり、「次、行こうか?」「うんっ!」で、落としています。
これだから大阪の男性は・・・好きです。
10> ROCK AROUND
さあもう最後だ、みんなでハジケるぞ、というナンバー。
9人全員、若くて元気で可愛いなあと、オ○サンな感想を抱いてしまいました。
フィナーレで、先生と新田さんが泣きそうになっていたのと、中川さんの何ともいえない優しい笑顔が、心に残りました。
(この項は、まるさんにご協力をいただきました)
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